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公益財団法人 山田科学振興財団
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援助事業成果


短期間派遣援助成果
被派遣者
目   的
東京都立大学大学院
   兒玉 健
第203回アメリカ電気化学会年会
奈良女子大学
   三橋 尚登
高等植物細胞におけるフィチン酸(イノシトール六リン酸)代謝の分子機構に関する研究
京都大学大学院
   永谷 清信
放射光を用いた中性自由クラスターの研究に関する研究集会
東北大学大学院
   石原 純夫
第7回超伝導と高温超伝導体の物質と起源に関する国際会議
九州大学大学院
   野呂 哲夫
第21回核理論国際ワークショップ
東北薬科大学
   櫻田 忍
2003年国際麻薬研究会議 他
東北大学金属材料研究所
   佐々木 孝彦
第7回強磁場中での現象に関する国際シンポジウム 他
東京工業大学大学院
   小田切 丈
第23回光・電子・原子衝突国際会議および第13回電子分子衝突・スウォーム国際会議

短期間派遣援助成果内容
 被派遣者の氏名  兒玉 健
 所  属 東京都立大学大学院理学研究科化学専攻
 目  的 第203回アメリカ電気化学会年会に参加し招待講演を行う。また、最新の結果について情報収集を行う。
 成  果 フランス・パリの国際会議場で4月27日から5月2日の会期で開催された第203回アメリカ電気化学会年会に参加した。
 28日に行われた分科会(Endofullerenes and Carbon Nanocapsules)で「13C NMR Study of Ca@C74:Cage Structure and Dynamics of a Ca Atom inside the Cage」というタイトルで招待講演を行った。ケージの構造、及び、ケージ内での内包された Ca のホッピング運動をNMRによって明らかにしたというのが講演の概要である。NMRの結果の解釈についての質問と内包金属 Ca とケージの間の結合についての質問を受けた。
 この分科会では全部で18件の講演が行われたが、金属内包フラーレンの研究についての発表が多く、私にとって非常に有益な情報が多く得られた。また、休息時間の話の中で、私達のグループが現在行っているリチウム金属内包フラーレンの実験で行き詰っている点について、アドバイスをもらうこともでき非常にありがたかった。28日に限らず、会期中には多くのフラーレン研究者と情報交換をすることができ、有益であった。
 29日以降は主として炭素ナノチューブに関する分科会に主として出席し、講演を聴いた。ナノチューブを利用した応用技術に関する発表がいくつかあり面白かった。全般にSARSの影響の為か中国の方の講演のキャンセルが目立った。
 今回の学会参加において、自分達の成果をしっかり発表できたことと、最新の情報を得ることができたことは大きな収穫であった。派遣援助していただいたことに改めてお礼を申しあげます。
 被派遣者の氏名 三橋 尚登
 所  属 奈良女子大学 理学部 生物科学科
 目  的 派遣先との共同研究遂行のため、フィチン酸代謝に関与する遺伝子について、RNAi 法による形質転換植物の作製を行う
 成  果  被派遣者は、5月7日〜8月19日までオーストラリア・キャンベラの CSIRO Plant Industry に滞在し、RNAi 法に関して世界有数の技術を有する Alan Richardson 博士の研究グループとの共同研究及び研究打合せを行った。 RNAi 法は、二本鎖 RNA が生じるように設計された遺伝子を植物体に導入することにより、人為的にジーンサイレンシングを誘発し、ターゲット遺伝子の発現を制御(ノックアウト)する方法である。本派遣研究では、単子葉植物の代表例としてイネ、双子葉植物の代表例としてシロイヌナズナを材料とし、種子に蓄積するフィチン酸(myo-イノシトール六リン酸)の生合成の鍵酵素であるイノシトール1リン酸合成酵素(MIPS)のノックアウト植物の作製を行った。
 イネ RNAi 用ベクターの pStarling、シロイヌナズナの RNAi 用ベクター pHellsgate12 は、派遣先である CSIRO の研究グループによって開発された非常に優秀なベクターであり、これらを使用することにより、ターゲット遺伝子の発現を9割以上制御することがすでに報告されている。
 まず単子葉植物のイネおよび双子葉植物のシロイヌナズナよりイノシトール1リン酸合成酵素(MIPS)の部分配列のクローン化を試みた。次に、得られたイネMIPS1、シロイヌナズナ MIPS1、MIPS2 の各DNA断片のシークエンスを確認後、RNAi 用に開発されたプラスミドベクターに各々組み込み、植物体へ導入した。今後、第2酸の代謝変動を解析する予定である。本派遣研究により得られた形質転換物質は、派遣先との共同研究をさらに発展させる上で極めて重要な役割を果たすことが期待できる。
 被派遣者の氏名 永谷 清信
 所  属 京都大学大学院理学研究科
 目  的 ”Workshop on free, neutral clusters studied by synchrotron radiation” 参加のため
 成  果 ビョルンホルム教授によって主催された本研究会は、放射光を用いた自由クラスター研究で主要な研究者である E.Ruhl 教授、 T.Moller 教授を初めとした主要な研究者を集めて、ストックホルム近郊のシグチュナにおいて3日間の日程で開催された。
 被派遣者は研究会において ”Size-selective structural study of free neutral clusters in the hard x-ray region” という表題で45分間の講演を行った。講演では我々が新しく提唱したサイズ選別EXAFSを用いたクラスターのサイズ選別構造解析についてその原理およびセレンクラスターでの実際の適用例について示した。我々の研究は硬X線を用いたクラスター研究という意味でも独自の研究であるが、それに加えてこれまで困難であった自由クラスターの構造解析を行う一般的な手法となり得る方法を実証したという意味において本研究会においても注目を集め、かつ研究会参加者から高く評価された。

また、本研究会では放射光を用いたクラスター研究の現状についての研究報告だけでなく、今後の研究の方向性を探るための議論を行った。実験技術上や共同研究の際の研究体制などについて議論が交わされ、研究者の間で問題意識の共有がなされた。また、この研究会の成果を継続させるために、webやメーリングリストといった方法を用いた情報交換の手段を構築し、当該分野の研究の発展に資することとなった。

以上、本研究会への参加により、放射光を用いた自由クラスター研究における我が国の研究者の寄与を示す事ができただけでなく、欧州の研究グループと問題意識の共有ができたことで今後の研究の展開や共同研究の展開、研究者の交流などの端緒となると考えられる。
 被派遣者の氏名 石原 純夫
 所  属 東北大学大学院理学研究科物理学専攻
 目  的 第7回超伝導と高温超電導体の物質と起源に関する国際会議(M2S)に出席並びに発表のため
 成  果 平成15年5月25日から30日にかけてブラジル、リオデジャネイロで開催されたM2Sに出席し、研究発表を行った。本国際会議では1986年にインターラーケン(スイス)で始めて開催されて、以後2から3年おきに各地で開催され、主に超伝導と高温超伝導の物質探索、発現機構、物理的性質、応用に関する発表と議論がなされている。被派遣者は「フォノン」に関するセッションで口頭発表を行うと共に、主に超伝導機構、電子状態、格子状態に関するセッションを中心に参加し、情報の収集を行った。以下これらの2点に分けて成果を報告する。
 5月27日(火)の午後のセッションで「高温超伝導における電子相関と電子−格子相互作用」と題する25分の講演を行った。これは最近の角度分解型光電子分光による−電子スペクトルのキンク構造の発見や、中性子散乱実験によるフォノン分散の異常なソフト化の発見を契機に行った研究である。強相関効果を取り入れたtJ模型に電子格子相互作用を考慮し、これがd波超伝導を助けることや上記の異常な電子、格子の物性を統一的に説明する事ができることを発表した。講演の後に、オークリッジ国立研究所の江上教授並びにマックスプランク研究所の Zeyher 教授と議論をする事ができ、被派遣者の研究内容をより深く理解していただくと共に、これに対しての多くの貴重な助言をいただいた。
 本会議で得られた有用な情報として以下の2つの研究発表を挙げる。
(1)スタンフォード大学の Lanzara は角度分解光電子分光実験におけるキンク構造に関する招待講演を行った。このキンク構造の起源に関しては以前からフォノン説、磁気励起説が挙げられていた。今回酸素の同位体置換を行う事で、キンクの生じるエネルギーがシフトすること、これがラマン散乱によるフォノンピークのシフトとコンシステントであることが示され、フォノンと電子との強い相互作用によるとの説が有力となった。
(2)チューリッヒ大学の Keller 教授は磁場進入長(λ)の同位体効果について報告を行った。通常のBCS理論では転移温度Tcの同位体効果は知られているが、λは同位体効果を示さない。YBCO等のいくつかの高温超伝導では酸素16を18に置換する事でλ-2が5%程度変化することが報告された。この起源について電子の有効質量と酸素イオンの質量との関係について議論がなされた。
  本会全体を通して、高温超電導体におけるフォノンや格子の役割が大きく取り上げられ、超伝導発現機構や異常物性に対する起源として再考察が成されるようになったといえる。本会議への出席は、これまでの被派遣者の研究を国外の多くの研究者に発信できた事、並び今後の研究の発展に直接結びつく有用な情報を得ることができた事の2点において、大変有意義なものであったといえる。
 被派遣者の氏名 野呂 哲夫
 所  属 九州大学 理学研究院
 目  的 第21回核理論国際ワークショップ参加
 成  果 ○阪大核物理研究センターとペテルブルグ原子核研究所との加速器を用いた、陽子エネルギー392MeVならびに1GeVでの(p,2p)反応の測定結果と次の3つの視点からの解析・検討結果について報告した。(1GeVでの実験は貴財団からの研究助成による。)
原子核の構造を調べるという立場から : 反応は充分に単純であり、1粒子束状態に関する情報が引き出せる。
核力やハドロンの核内変化を調べるという立場から : 偏極分解能Ayが自由空間での値に比べて核密度に依存して低下しているという現象が392MeVと1GeVとに共通して観測されて、何らかの媒質効果の存在が強く示唆される。
Dirac相対論的核反応論の検証という立場から : 自由空間でのp-p散乱では0であるAy-P(Pは放出陽子の偏極)などの値が有意に0からずれて観測された。相対論的歪曲効果によってoff-shell性(反応前後での2粒子相対エネルギーの不一致性)が現れている可能性があり、興味深い。

○上記報告について、いくつかの質疑応答があったが、講演後のvon Geramb 教授とoff-shellの取扱いについて議論をし、貴重な助言を戴いた。

○von Geramb 教授による、核子−核子2体系をDirac方式で取扱った計算から推定される300MeV〜数GeVでの核子−核子散乱の様相など、興味ある報告があり、また、実験面での日本の更なる寄与を要請されるなど、有意義な議論を行った。
☆なお、援助戴いた渡航費には若干の残額が発生しましたが、旅程の都合上往復共途中で宿泊する必要があり、その費用の一部に充当致しました。

☆援助戴いたお陰で有意義なワークショップに参加できました。以前の研究助成と合わせ、心より感謝致しております。
 被派遣者の氏名 櫻田 忍
 所  属 東北薬科大学 機能形態学教室
 目  的 2003年国際麻薬研究会議にて発表および Catanzaro大学において講演
 成  果 第34回国際麻薬会議が7月6日から11日までフランス、ペルピニヨンで開催された。7日(第1日目)opioid structure and function(Symposium 1)において、極めて興味ある発表が示された。それは、delta および kappa受容体の二つの異なる受容体同士の cross-talk 現象とも言うべき研究成果である。すなわち delta と kappa受容体とが heterodimers を形成し、この2つの受容体に作用する ligand によって、delta および kappa受容体の相互作用が認められるとの報告である。これらの研究から、2つの受容体の相互作用による生理的意義が今後と問われる事になろう。さらに、当教室が研究の対象としている精神的依存症に delta および kappa の heterodimers がどのように関わるか、今後の研究対象となると考えられる。Symposium2 において、神経因性疼痛(morphine ではこの疼痛をおさえる事が困難)および morphine 耐性動物において dynorphin およびその前駆物質の上昇と受容体の増加が認められ、神経因性疼痛における dynorphin の重要性が浮き彫りにされつつ有るのを感じた。さらに、Symposium2 において、dynorphin(2-17)(dynorphin(1-17)ではなく)が、NMDA受容体と salt briding を形成し、非生理状態をつくり出すことが報告され、慢性疼痛および神経破壊による疼痛の発現に関与する可能性が示された。これらの研究は当教室の研究テーマである「中枢性 histamine の疼痛における役割」研究のMNDA受容体の関与の研究に多大の suggestive を与えてくれた。発表を聴講して、Symposium の発表から Histamine と dynorphin(2-17)の類似点を見い出した。

 Poster session においてNo155「Endomorphin analogues containing D-Pro2 discriminate different mu receptor mediated antinocioeption in mice」題名で発表した。これまで、mu 受容体拮抗薬のみが見い出されているが、mu2 受容体拮抗作用のみを引き起こす薬物は見い出されていなかった。私どもの発表は選択的mu2 受容体拮抗薬を見つけ出したことの報告である。この研究成果は mu 受容体を介して引き起こされる薬理作用を分類する事ができる。特に、 morphin の副作用である依存性の作用機序の解析に一役かうことになるであろう。ほ乳類の中枢神経から endomorphins を発見した Prof.Zadina 教授からも「これまでも、存在が推測されていた mu2 受容体ではあるが、その特異的拮抗薬が見つけ出されたことから、mu2 受容体の存在がかなり現実性を帯びてきた」との意見を聞く事ができた。

 7月11日、ペルピニヨンからマルセーユを経て、ローマ、ローマからラメチアテルメに到着、友人Prof.Giacinto Bagetta が迎えに出てくれた。すぐに、大学で午後3時30分から講演を開始し「Differential antagonism of endomorphin-1 and endomorphin-2 spinal antinciception by naloxonazine, 3-methoxynaltrexone and norbinartorphimine」の講演題名で約1時間講演を行った。講演内容は mu 受容体を介して dynorphin family の遊離機構についての話である。化学的刺激である formalin test でもこのような現象が起こるかとの質問が出された。これを生化学的に証明するため、共同研究を推進することで同意した。これを機会に、Dr.Giacinto Gagetta 教授を今後日本に招請する予定であり、南イタリアの Catanzaro 大学との研究交流がより一層盛んに成るであろう。
 被派遣者の氏名 佐々木孝彦
 所  属 東北大学金属材料研究所
 目  的 第7回強磁場中での現象に関する国際シンポジウムに出席、ならびにフランクフルト、ミュンヘンでの共同実験打ち合わせ
 成  果  シンポジウム(ツールーズ、フランス)に先立ち、フランクフルト大学において M.Lang 教授と有機超伝導体のパルス強磁場を使用した物性実験の打ち合わせを行った。フランクフルト大学では50Tパルス磁場中で超音波測定が可能なため、2次元面に平行な磁場中での高磁場磁束状態測定の可能性を討論した。また約2時間の学科セミナー”organic superconductors” を行った。
 強磁場シンポジウムは、フランス、ツールーズ郊外のINSA(Institut National des Sciences Appliquees) の講堂およびカフェテラスで一般講演、ポスター講演が行われた。パルス強磁場施設(LNCMP)は同じINSA構内にあり、3日目に施設見学ツアーも行われた。
シンポジウムは4日間であるが、一日目はレジストレーションとウエルカムパーティのみで、実質的な会期は3日間であった。しかし会場がツールーズ市内から離れているため、朝晩に会議用のバスで、市内ホテル地域との間の送り迎えとなっている。このため朝の講演 8:30 から、夜のポスター修了時間 19:00 まで会場に缶詰の状態で密度が濃い日程であった。会議の内容は、主として世界のパルス強磁場、定常強磁場施設を利用した強磁場中での固体物性、強磁場を利用した材料開発などである。またこの会議は各強磁場施設間の情報交換の場でもあり、世界の施設んp現状と計画に関する特別セッションも設けられている。自分の発表は会議二日目のポスターで行い、有機超伝導体関連の強磁場研究者との討論を行った。有機(超)伝導体の強磁場物性は、各施設でも中心的な課題のひとつであり、有機伝導体を扱う参加者も多いため、有意義な発表、討論を行った。会議終了後、ミュンヘン郊外のガーヒングにある Walther-Meissner 研究所で W.Biberacher 博士らと共同実験の打ち合わせを行った。この研究所とは、この6-7年に極低温での有機超伝導体の磁束状態研究の共同研究を進めている。同じ会議に出席していた M.Kartsovnik 博士らとともに新しく導入された装置による実験計画、試料提供などについて討論を行い、今後のスケジュールなどを確認し、帰国した。
 被派遣者の氏名 小田切丈
 所  属 東京工業大学 大学院理工学研究科 化学専攻
 目  的 第23回光・電子・原子衝突国際会議および第13回電子分子衝突・スウォーム国際会議に出席し、招待講演および一般講演を通して本申請者らの研究成果について議論することを目的とする。
 成  果  分子二電子励起状態は、電子相関を研究する上での格好の系であるばかりでなく、電子相関が核の運動に現れるという点で非常に興味深い。しかしながら、理論的にはポテンシャルが非局所であるため厳密な取り扱いが難しく、一方で実験的にも、直接イオン化スペクトル中にそのスペクトルが埋もれてしまうため、その観測は困難を極める。本申請者を含む研究グループは、電子分子衝突における散乱電子と、二電子励起状態の解離によって生成する励起フラグメントからの光子とを同時計数することにより、特定の解離過程で標識した電子エネルギー損失スペクトル、すなわちコインシデンス電子エネルギー損失スペクトルを測定する実験手法を開発・確立した。
この実験手法は、二電子励起状態の分光だけでなく、そのダイナミックス研究における非常に有効な方法であり、本申請者らは最近注目すべき実験結果をいくつか提示することに成功してきた。
これまでの実験結果に関する総括的な招待講演を、この分野の最大規模である上記の学会において行い、成熟度の低いこの分野の研究を活性化することが今回の渡航の主たる目的であったが、その目的は十二分に達成されたと考えられる。具体的には、上記の電子衝突実験に関する招待講演1件(講演23分+質疑応答7分)、一般講演2件、および放射光実験に関する一般講演2件を行った。ここで放射光実験とは、光励起過程での二電子励起状態ダイナミックスを対象としたものであり、光励起と電子衝突が相補的関係にあることから上記のコインシデンス電子エネルギー損失スペクトル実験に大いに関係のある研究である。これら講演および講演後の議論の結果、多くの研究者が我々の結果に興味を持ち、いくつかの実験的および理論的研究を誘発することに成功したと確信している。特に有意義であったのは、水素分子のコインシデンス電子エネルギー損失スペクトル中の未同定ピークを、我々が主張するような未知二電子励起状態でなく、干渉によるものとした理論研究者との議論であった。本申請者は重水素に対する実験結果を提示しその可能性に否定的であると述べたのに対し、彼の答えは今後の理論研究で示すことができるだろうという内容であった。このような実験と理論の組み合わせにより、二電子励起状態ダイナミックスに対する理解が大いに進むと期待される。また、新たな技術革新、最新の研究の動向を確認できたという意味でも非常に意義深い渡航であった。